畳のバリエーションTATAMI VARIATIONS
生活環境に合わせて使える
バリエーション豊かな畳
1000年以上の歴史を誇る、日本古来の床材・畳。
畳とは、芯材である畳床に畳表を張り付け、畳縁を縫い付けて作ります。
ここでは、生活環境に合わせて使えるバリエーション豊かな畳の種類と、畳を構成する素材についてご紹介します。
「畳」の種類
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縁付き畳
一般的に「畳」と聞いて最もよく連想されるのが縁付き畳でしょう。
住宅で最も多いのがこのタイプです。
寺社仏閣でも通常使用されており、格式高く荘厳な雰囲気を演出できます。縁なし畳
縁がなくスッキリとした見た目が特長です。
通常の1畳サイズと半分の半畳サイズがあり、半畳サイズは畳の目の方向を交互に敷き詰めると、市松模様のように見え、おしゃれな雰囲気になります。薄畳
一般的な畳が55mm~60mm程度の厚さなのに対して、15mm~30mm程度の厚さの畳を薄畳と呼びます。
バリアフリーや、洋室に畳を敷く場合によく使用されます。置き畳
通常の畳の半分程度の大きさのものが主流で、置きたい場所に手軽に設置できる畳です。フロア畳、ユニット畳などとも呼ばれます。
「畳」の材質
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畳は、畳床(たたみどこ)、畳表(たたみおおもて)、畳縁(たたみへり・たたみべり)で構成されています。
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畳表(いぐさ)
畳表の材料のいぐさは多年生の植物。熊本、福岡などを中心に栽培されています。
いぐさの苗の手植えは真冬にスタート。春、新芽の発育を促すためにいぐさを45cmほどの長さに切り揃える先刈りという作業を経て、夏、1.5mほどになったものを刈り取ります。畳表の製作工程ではじめに欠かせないのが泥染め。
これはいぐさ独特の色・ツヤ、そして香りを引き出すために行われます。
そして織機で畳表に編んでいく作業。畳一帖分に使用されるいぐさは約4,000~5,000本、高級なものになると7,000本ものいぐさが使われます。経糸は主に麻糸と綿糸で、高級品には麻糸が使われます。
畳一帖分、2m8cmの長さの糸が136本も使われ、1時間弱で編み上げられます。熊本県産いぐさ
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畳表
(工業表/機械すき和紙、ポリプロピレン)いぐさではなく、和紙やポリプロピレンを使った畳表を工業表と呼びます。
変色しにくくお手入れが比較的簡単なため、旅館や飲食店、介護施設などでも使われています -
畳床
ふだん私たちの目に触れませんが、畳の重要な機能を担っているのが畳床。
従来の畳床は稲ワラを5cmまで圧縮してつくっていましたが、最近はコンクリート造など断熱性・気密性の高い住まいに合わせて、新しい素材の畳床がどんどん登場しています。高温多湿の風土のもとで密閉構造の住まいには断熱性や耐湿性の高い素材が求められます。現在、畳床の種類は図のように大きく分けて3つあります。
主に使われるのは断熱性と耐湿性に優れたポリスチレンフォームやインシュレーションボード。
軽量で防カビ・防虫の工夫が施され、自由設計にも対応できるというメリットもあります。
これらの素材の特長を十分に生かした建材畳床をはじめ、新素材と稲ワラの両方の長所を生かしたサンドウィッチタイプなどさまざまな畳床がJISに基づいた品質基準のもとで生産されています。-
ワラ畳床
よく乾燥させた稲ワラを縦横の層になるように積んで(40cm)、5cm程の厚さに圧縮してつくります。
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ワラサンドタイプ畳床
断熱材を上と下から稲ワラではさみこんだもの。
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建材畳床
ポリスチレンフォームとインシュレーションボードを組み合わせて合体したもの。又は、単体で作ったもの。
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畳縁(たたみへり)
畳縁は、畳表を装飾する材料である一方、傷みが目立ちやすい角の部分を防ぐ役割も兼ねているのが畳縁です。元来、畳縁には高い耐久性があり、畳表を保護する役割があります。
また、畳と畳を敷き合わせた際にできる隙間をしめる(つめる)役割もあり、これによって畳と畳の間にホコリが溜まりにくくなり、部屋を清潔に保つ効果もあります。 -
畳替えとは?
畳を快適に長く使うには、適切な時期に「畳替え(畳の張替え)」が必要です。
大きく分けると「新畳」「表替え」「裏返し」の3つになります。-
新畳
畳表や畳床、畳縁の全てを新しく交換します。購入してから15年~20年くらいを目安に、新品を購入しましょう。畳床はメンテナンス次第で約30年長持ちしますが、歩いたときにプカプカしたり、畳と畳の隙間ができてしまったら取り替えどきです。古い畳はその機能低下はもちろんのこと、衛生上もよくありませんし、家全体の構造にも支障をきたします。畳の種類は豊富ですので、部屋やインテリアに応じて選びましょう。
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表替え
畳表が日焼けして色が変わったり、傷みが激しくなったら、畳床はそのままで畳表だけを取り替えます。
これを「表替え」といい、新品で購入して3~4年目で行うのがおすすめです。畳へりも新しく替えて、お部屋全体をリフレッシュしてください。 -
裏返し
畳表は本来、表裏使用可能なリバーシブル仕様になっています。畳の状態にもよりますが、新畳・表替えから2~3年で表裏を返します。
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